いい服とは (その6)

トラウザーズ(パンツ)について

裾口の折り返しを一般に、シングル ダブルに、分けています。

ダブルの折り返し部分を、職人用語で「かぶら」、西洋ではターンナップ

とよばれております。パンツの裾を折り返す事は、その昔英国の田舎で、

裾口をぬかるみで汚さないための、一時的な方法であったと、ある本に

書かれていました。それが一般化したのが、現代の折り返しなのです。

通常のスーツには、折り返しをつける事が多いと思いますが、タキシード

等のフォーマルウェアには、絶対に折り返しをつけない、その理由は、

室内着という発想が、あるからです。

パンツの裾口をシングルにするか、ダブルにするかは好みの問題では

ありますが、折り返し付のほうがよりクラシックであると、考えられます。

裾をダブルにする場合、折り返しの幅ですが、これは裾幅とのバランスが

重要だと考えます。裾幅が25㎝の場合と19㎝の場合では、同じ4cmの

「かぶら」であっても、かなり印象が違ってみえます。

最後に、パンツの股下ですが、普通に立った状態で靴下が見えない位が

正しい長さだと思います。最近はかなり短めの長さで、靴下が丸見えに

なっている人や、反対に長くしすぎて裾口でだぶついている人も、よく

みかけます。自分なりにパンツの長さを、常に意識する事が「見心地の

いい服」につながるとおもっております。

池田商店 東本浩二

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